黒帯が語る4 尾原さん

※YouTube更新しました。(トレーニング動画等。)ぜひご覧ください。

さて、本日のシリーズ黒帯が語る第4回は、一般女子の部から尾原さんが書いてくれました。女性の方で空手に興味もっているけど、なかなか自分がやるとなると・・・って思っている方には参考になる文章だと思います。読んでいただけたら嬉しいです。

尾原 さな江 初段

全日本大会 シニア女子の部 準優勝

静岡交流試合 優勝

 

家族で空手を親子クラスからスタートさせる。そこから一般の午前のクラス→一般夜のクラスと徐々に道場に来る回数を増やし黒帯を取得する。大会でも好成績を納めるまでに成長し現在に至る。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
私は道場が休館になって運動不足にならないよう子供たちと体を動かしています。
結果、ドッヂボールをしたら肩を痛め、ブレボーをしたらスピードの出し過ぎで転倒し右半身を負傷してしまうという散々なことになっていますが次は一輪車に挑戦。子供たちの遊びは楽しいので夢中になり過ぎないよう気を付けます
そんな私の「黒帯は語る」ですが、
皆さんもご存じの通り私は熱心にというより無理なく稽古に取り組んできましたので笑えるエピソードや先生が苦笑いしていたことは数多くありますが誇れるようなことは何もありません。唯一、語れることといえば私を黒帯まで導いてくれた人々と出会えたことです。
・私に強くなるための指導をしてくれた方。
・素晴らしい昇段審査を見せくれた先輩。(この先輩を目標に私は昇段審査に挑みましたが、まだ遠い存在です)
・筋肉皆無!型下手!!体力なし!!!そんな私の稽古に毎回付き合ってくれた方。
私が黒帯になれたのはこの出会いがあった。ただそれに尽きます。
これから昇段に挑む人たちにも必ず手助けをしてくれる人が現れることでしょう。
 その私の昇段審査は特別な出来事で緊張するというより終始稽古の延長という心持ちで終えられました。振り返って見ると、昇段審査と向き合った1年間は私にとって本当に楽しい時間でしたが、楽しいだけでなく日々の稽古の積み重ねが昇段審査を受ける心構えと自信を知らぬ間に身につけさせてくれたのだと思います。(勿論、稽古中の佐藤先生の「適度な煽り」が一番効いたのですが 笑)
 そして昇段審査を終えてやっと一区切りのはずでしたが・・・
道場で指導をさせていただける機会が増えていく中、私が関わってきた(教えたり指摘したり)後輩たちの昇級審査や試合の方が自分のことより緊張するようになっていました。常に私の想定を上回る活躍をみせてくれる後輩たちですが、今でも結果に関係なく無事に終えてくれると嬉しくて泣きそうになります。後輩たちがいつしか「私より遥かに高い志を持って昇段審査に挑む」姿を見届けるため、精一杯お手伝いをしたい。これが今の想いです。黒帯になることで指導育成という新たなステージを与えていただけたことに感謝いたします。
最後になりましたが、
日々の生活が落ち着きを取り戻し、道場で再び皆さんと稽古できる日を楽しみにしております。くれぐれもご自愛ください。
尾原 さな江

 

尾原さんを近くでずっと指導させていただき、尾原さんの空手を一言で表すとすればずばり・・・・

 

「歩」

 

でしょう。

 

「走る」ではなく「歩く」

 

尾原さん自身の文章にあるように、熱心にというより無理なく続けてきたとありますがそれがとても上手でした。

 

尾原さんストーリーをあげるとすれば例えば最初こんな感じでした。

 

「先生、組手怖いから夜のクラスはいきたくないです」

「先生、型が苦手です。」

「先生、拳立てできません」

「先生、無理!!(稽古中)」

「先生、吐きそう!(試合直前緊張による)」

↑じゃあ空手できないじゃん(笑)

 

正直になんでもぶつけてくれてありがとうございます(笑)

 

そんな状態の尾原さんがなぜ黒帯を巻き、全日本2位になったのか・・・

 

そんな秘密がこの文章には書いてあって、それが「歩」に繋がります。

 

尾原さんの強さや見違えるほどの成長を遂げた秘密をあげるとすれば、常に等身大の自分をみつめ、決して背伸びをせず、無理のない範囲でやれることをやり続けた・・・

 

それが結果につながった・・・・

 

0か100かではなく(やるかやらないか)・・・

 

いつも自分ができる10なら10を。

 

20なら20を・・・

 

自分で決めて淡々と少しずつ。

 

また、ほとんど何もできない状況でしたがそこからいつも自分の弱点を改善させるために少しずつを繰り返しました。

 

確か途中手術をしなきゃならなくて長期間休んだ時期とかもありましたが、体力が落ちてしまったそのあともひたすら少しづつを繰り返し見事に復活もしました。

 

目標を一つ作ってはまた一つ・・・

ゴールを目指して一歩一歩確実に前進していく。

 

私から見れば尾原さんは弟子にあたりますが、

尾原さんの成長を近くで見させて頂いて、あまりにもその変わりぶりに淡々と一歩一歩繰り返すその継続する力のすごさを改めて弟子の尾原さんから教えられました。

 

いつからでも、どんな状態からも・・・

 

背伸びをせず、等身大の自分をしっかりみつめ、自分ができる事を繰り返し淡々とやり続ける。

 

それが理想の自分への道に繋がっている。

 

現在の日本のこの状況下でもこの思考はとても大切ですよね。

 

0か100かではなくたとえ1でも2でも毎日何か少しづつでも。

 

それがあきらめないって事にもつながります。

 

「歩」って漢字は「止」「少」がつながっています。

 

止まるが少ない。0が少なければ走らなくてもゴールへたどり続けます。無理して走り続けると途中で疲れたり、気力がもたなかったり、燃え尽きてしまったり・・・結局0か100かになってしまい続かなくなってしまいます。

 

ウサギと亀の亀を目指す!!

 

特に大人から空手を始める人たちにとって一番大切なのはここです。

 

このヒントを忘れずにこれからもコロナ自粛期間終了後からまた道場で頑張りましょう!!

 

上記の通り一番最初に辞めちゃう女子部候補だったのに進化して黒帯を巻いた尾原さん今では新しく入った人たちや沢山の後輩たちに丁寧に指導や声掛けをして頂いてありがとうございます。また積極的に若い選手たちの稽古の手伝いをしてくれたり感謝しています。

 

これからも尾原さんらしく淡々と歩んでいってください!